満たされた弱者

重度身体障害者、生活保護受給中。

死んでみないとわからないバカは死ねないつらさを想像しない

ちょいと違う話。

 

テレビのニュースで吉野川に飛び込む若者のことを扱っていた。何mあるのかな、切り立った崖から飛び込んで遊ぶ若者がうじゃうじゃいる。水深は深いところで3m、浅いとこは2mくらいしかない。死亡事故が跡を絶たなかったので県は警備員を配し、注意呼びかけしてるんだがほとんど聞かない。中には流されそうになって警備員さんに浮き輪を投げてもらい、ようやく上がってきたのに「あー面白かった」と言った人もいた。警備員を配した2年前からは死亡事故はなくなったそうだ。ただ事故になっても死ぬ前に助かるだけの話で、重傷を負った人はいる、と県の担当者は言う。インタビューに答えた若者は「死んでみないとわからない、バカだから」と言った。

 

こんなところに書いてもきっとそういうことをする若者には届かないだろうけど言わずにいられない。死ぬよりつらい、生き地獄というものを想像したことはあるのか。私は入院中、海に飛び込んで頚髄損傷になった人を見た。一生車椅子だ。排泄も自然にはできないので浣腸と導尿だ。胸から下は動かないし感覚もない。腕は動いても動かない筋肉がある。手の指も思うようには動かない。私は感覚があるしいくらか回復もしてるから頚損の人とは違うが、頚損は歩けるようにはならない。

そうなった時、どのくらいの医療費や介護費がかかるか想像したことがあるか。私の場合でも実費なら年数百万かかっている。それを国や自治体が負担してくれている。私だって病気の因果関係をたどると自己責任と言われても仕方がないから偉そうなことは言えないが、だからこそ断言する。重度身体障害者になった時、自分で責任をとれる人なんてそうそういない。死ねばバカだねといえるけど、死なずに一生不自由な身体で生かされるリスクに見合った行為なのか、ふざけた飛び込みは。自分にも周囲にも莫大な負担がかかる。そして手足が不自由になったら自殺もできない。日本に安楽死の制度はないんだ。

 

もちろん、死ぬことはもっと悲惨なのかもしれない。生きていればいいと言われるかもしれない。重度身体障害者でも楽しく前向きに生きている人はたくさんいるし、私だってのん気な毎日を過ごしている。

だけど、あの時死んでたらよかったと口にする人も少なくはない。決して少なくはない。そうなってから後悔しても遅いのだ。