満たされた弱者

重度身体障害者、生活保護受給中。

30代の独身女性、というカテゴリ

id:luvlifeさんの「インタビューズ(2013-10-31~2013-11-09) - 未解決の文字」を読んで、ああそういう意味だったのかと納得した部分と、きっと質問者さんが言いたいことはそういうことじゃないんだろうなと思った部分があったので書いてみる。

 

おばさん化のバロメーターについての話。最初のluvlifeさんの回答はよく意味がわからなかった。

自分の年齢をごまかしたり自虐っぽくもしないで、フツーに言える人って、「おばさん」なんかじゃなくて、「素敵な大人」だと思います。

別におばさんって年齢をごまかしたり若ぶったり自虐的に扱う人のこととは思ってなかったから。でもまぁluvlifeさんのバロメーターがそれであるっていうことは事実なのだろうから、いっちゃえば私にとってはどうでもいい。

が、質問者さんは「悲しい気持ちになった」。これも事実であるし、彼女の言い分は、想像可能な範囲内のものであった。

リアルでもネットでも、年齢言った時点で意見そのものじゃなくて「これは◯歳の女の意見」っていうところでばっかり判断される、すごいレッテル貼られる感じがしたからです。 

それに対するluvlifeさんの回答は、全く違う問題について話している人のそれにしか見えなくて「?」ってなった。いや最初に「あなたになんてお返事したらいーのか、わからないです」と仰ってるので無理もないのだけれど。本当に理解できなかっただけなのだろう。

私が人からバカにされた時は、年齢のせいじゃなくて、バカにされるようなことをしてるから、って思います。

多分質問者さんが仰ってるのはそういう問題じゃないと思う…。

 

そうすると下の方、おばさんに責任感持たせる方法のところでこんなふうに答えていらした。

おばさんの年齢になるまでバカにされるよーな生き方してきた人が、結果的に「バカにされるおばさん」になっちゃうんですよ。

中年になるまで生きて、自分の人生が充実してるかしてないかって、それはもー、自分の生き方の結果だと思います。

それを認めれなくて、なにかのせいにして生きてる中年って、責任感がぜんぜん培われてきてなかったんだと思います。

 

ああーそういうふうに「だけ」考えたから質問者さんの意図を一切汲み取らない回答ができたのか、と。腑に落ちた。

 

ここで私自身について書いてみると、現在30代後半の独身女性である。今はそこに「身体障害者」という特殊かつ無視できない属性が付加しているので、30代後半の独身女性であることの意味は私については多分一般より薄れている。

この属性を持つ以前の私についていえば、いちばん歳を取っていた時で30代前半である。30代前半の独身女性。それが私の属するカテゴリであったが、それについて私は何らの苦痛も覚えていなかった。今にして思えば、社会からの視線はいちばん微妙な年齢じゃないか?

だが私を「独身のおばさん」として扱う人なんて周りにいなかったし、頻繁に会う人は若い人が多かったけれどもバカにしてくる人なんていなかった。年齢も訊かれたら答えるし自分から言うこともあったが、大抵「思ったより年上」という反応だった。それ以上でも以下でもない。私という人間を見ないで、私の属性を見て話をするような人と接する機会がなかったのだ。ネットでも多数の人の目に触れることなんてないし、私の年齢を知る前に私の発言に興味を持ってくれた人としか交流はない。

だから自分についていえばluvlifeさんの仰ることは別に悲しくもならないし特別な感想は持たなかった。同意に近いだろう。

けれども、質問者さんが自分の思いを述べたインタビューに「私が人からバカにされた時は、年齢のせいじゃなくて、バカにされるようなことをしてるから」という回答はしないなあ、私だったら。と思うと、何故だろう?と疑問が湧いてきた。だって私自身は質問者さんのような感情を抱いたことがないのだ。年齢を言いたくないと思ったこともないし、おばさんの僻み扱いされたこともない。どちらかといえばluvlifeさんの思想のまま年を取ったのが私みたいなものだ。

その疑問の答えはすぐに出た。友人の顔が浮かんだのだ。私には結婚願望が全く無いため、必死に合コンに行っては愚痴を繰り返す友人に呆れてちょっとバカにした物言いをしたことがあった。友人はとても傷ついた。旅行中だったのだけれど、気まずい沈黙が続いた。その後、少しずつ話してくれた。結婚は何としてもしなくちゃいけないものだと思っていること、でも男性に深い愛情を持てないこと、だから条件を設定してそれに見合った男性との出会いを求めるしかないこと、職場の既婚女性の配偶者はみんな一流企業に勤める人なのでそれが自分の常識なのだということ。離婚歴のある人を嘲笑う人たちを目の当たりにしてきたから、自分は絶対に笑われたくないと強く思うということ。私はそういう生き方をしないし理解もできないけれども、彼女はそういう生き方しかできないしそういう環境、そのような常識の中で育ってきたのだ。

彼女自身は何も変わらなくても、お見合いの仲介をする人からは「30歳過ぎたのだからもうちょっと条件を下げなさい」と言われた。そしてその助言はそれなりに妥当なのだ。30歳を過ぎたというだけのことで彼女は男性の希望リストから除かれてしまう。それは35歳を過ぎるともっと厳しくなる。

これは彼女が変えることのできない社会の現実である。恋愛結婚がうまくいかない彼女が、それでも結婚したいと思うことをバカだと片付けることは私にはできない。彼女の価値を年齢で変えてしまう男性の価値観をバカだともいえない。私は当事者でないし、男性側にだって言い分はあるだろう。友人が結婚相手にそこそこの収入を求めていることを考えたらお互い様じゃないかと思う。彼女には収入を求める理由があるし、男性は女性に若さを求める理由がある。

私が全くの蚊帳の外からあれこれ言うのは…もし逆の立場で関係ない人間に口を出されたらすごく腹が立つと思うのだ。あなたに何がわかるのか、と。私が独身でいることを非難されるようなものでしょう。友人はそれをしない。私の生き方を否定はしない。だったら私にだって口を出す権利はない。彼女の相談事を聞くときにはできるだけ彼女の価値観を外れないように返答をする。それを踏まえて、彼女が思いつかなかった私の視点を織り込むように。

友人はバカにされる生き方をしてきたおばさんではない。自分がおばさんであることのせいにして責任を放棄している人ではない。けれど、初対面の人に年齢を言ったら「行き遅れたんですねーははは」と言われてすごく嫌な思いをした、と先日も言っていた。多分質問者さんが言いたかったのはこういうケースを包含する価値体系のことじゃないかな。30代独身女性ですって言っただけでバカにされる/はじめからバイアスを持って見られることは、私の人間関係においてはないけれども、世の中には溢れていて、誰もがそれに傷つかずにいられるわけじゃないっていうこと。

私がバカにされなかったのは私の生き方によるものじゃなく、私の環境が大きな要因だったのではないか。違う環境にいたら私は、傷ついて年齢を隠したくなるようなこともあったのではないか。そういう環境を選ばないように生きたのは私自身だけれど、「私は自分の意思でこのようになりました。傷つくような環境にいる人は自分で望んだ結果でしょー」なんて言えないわ。それは言えないわ。

 

なんだかluvlifeさんの批判にしか見えない文章になっちゃっていて、それは申し訳ないなと思う。それよりも質問者さんに届けばいいなと思って書いたけど、きっとそれは無理だ。うちほんと過疎ブログだから。

luvlifeさんが仰ることはある意味では(というか私にとっては)正しいのだけれども、質問者さんが間違っているわけではない。luvlifeさんには理解できなかっただけで、彼女は何らの基準でもあり得ないのだから。突き詰めるとこれだけを言いたかったのかもしれない。

自分が魅力的だなと思う人にバッサリ切り捨てられたら悲しくなるものだ。でも必要以上に落ち込まないでほしいなと思う。質問者さんはもう何とも思ってないかもしれないが。いやむしろ、そうであればいいなと思う。