満たされた弱者

重度身体障害者、生活保護受給中。

STAP細胞を巡って、何が問題なのか

こういうことは書かないでおこうと思っていたけど。
今日の小保方氏の会見を少し見ていて、一般世論が研究者が問題視しているところとずれた方向に傾いていそうな気がして堪らなくなった。

 

まず、Nature論文で結果を示す画像を「故意ではなく」うっかり間違えた、という話。
どうやったらそんな間違いができるのか。
今のこの時代に、画像は後でのりで貼ったとかいう訳じゃないでしょう?
画像を挿入してそれを見ながら結論の文章を推敲するという作業が全くなかったとは到底思えないし、それが博士論文の画像だったならなおさら。
違う画像見ながら結論書いてたら大ごとだし、そうじゃないというならどうしてそうなったのか謎すぎる。
私は生化学のことは知らないけど、よく似た画像であれば余計にきっちり分類して保存するんじゃないか?
小保方氏本人も「他の研究者にとっては考えられないようなミス」と言っていたが、本当にそうだと思う。
もうひとつの画像の加工についても、加工をするなら加工の手順を明記するのが当然じゃないですか。
それをせず「見やすくしただけ」は研究の世界で通るとは思えない。
これらのことが理研規定で不正の範疇かどうかはさておき、Natureで通すレベルでやっていいことじゃない。

が、「真正のデータは存在しており、Natureにもすでに差し替えを投稿済み」ということだった。
これが本当で、Natureの査読が通るならそれはそれでいいと思う。

 

しかしながら重要なのは博士論文にコピペがあったというところ(会見で触れたか否かはわからない)。
そこで20ページもコピペしてしまう人なら、今までの業績にもそういうことがあったのではないか?
そもそも実験手順やデータ解析に甘いところがあっても認識できなかっただけじゃないか?
STAP細胞があるという結論も、彼女の勘違いである恐れはないか?
これは大きな問題ですよ。
「あんなに謝ってるんだから袋叩きみたいなことはやめようよ」とか、
「そもそもマスコミが持ち上げすぎたから」とかはこの際どうでもいい。
小保方氏の業績は本物なのか。
そこが揺らぐくらいの大きなミスをやらかしてしまった。

 

世論でよく出てくるのは「共著者は内容を知らなかったの?」という、尤もな意見なのだが、これは残念ながら「そういうことはあると思う」と言わねばならない。
というのは私自身、自分の名前が入っている論文を読んでないどころか掲載雑誌も論文のタイトルも覚えていないから。
私が研究の世界にいたのは十数年前だから覚えてないとかじゃなくて、漠然としか把握したことがない。
私の場合は下っ端だから実験者代行やデータ解析を手伝っただけ、ということで内容は関知していなかったのだが、論文の全体を把握しているのは筆頭著者だけという状況はさほど意外ではない。
2nd、3rd~の人は「この部分お願いします」みたいな感じで部分的に構築しているだけとか。自分がローデータを触っていない部分に関しては筆頭著者が「こういう結果です」と言ったらそれを疑う暇はなかろう。
いちばん後ろに名前が入ってる偉い人は、論文に嘘が書いてないかチェックなんかしないと思う。普通はそこで信頼できない人とは組まないから。
そして小保方氏が信頼できない人だとは思っていなかったのだろう。
けどそれを全面的に肯定してしまう理研や共著者の態度はいかがかと思う。

 

理研の「不正は小保方氏1人です」という結論は尚早すぎるだろう。
共著者だけじゃなくローデータを扱った下の人達に話を聞く必要もあると思う。
何より最初の理研の会見は完全に勇み足だった。
マスコミが研究以外の要素で騒ぎ過ぎたのも現状の原因だ。

 

だがいちばん重要なのは「小保方氏の業績は本物なのか」に尽きる。
もうそれは第三者による検証しかないと思う。
ただし再掲になるが、Nature論文は差し替えて査読通るならそれでいいんじゃないか。
誰かが反証を出さない限り仮説として残るだろうし、正しいのならいつか実証されるだろう。

 

追記(2014/04/10 20:08):

ただし今になって共著者が「きちんと調べたらこれはあかんやつやった。撤回すべき」と言うのなら、そこは全員で意見をまとめないといけない。
共著者の同意は得られてないけど査読通ったしOK!とは言えないでしょうね。

 

広告を非表示にする